【緊急解説】森の静かなるパンデミック。「ナラ枯れ」が招く国産薪の供給崩壊

いつもご利用ありがとうございます。
なっぷモールです。

今、日本の森林、特に薪の原料となる広葉樹林で
「ナラ枯れ」という深刻な伝染病が拡大しています。

今回は、この問題がキャンプ場経営、
そしてお客様の焚き火体験に及ぼす影響について、少し深く掘り下げて解説します。


■ なぜ「良質な薪」から消えていくのか?

「ナラ枯れ」の恐ろしい点は、その被害対象です。

原因となる「カシノナガキクイムシ(カシナガ)」は、
幹が太く、立派に育った大径木(老齢樹)を好んで穿孔(せんこう)します。

つまり、良質な薪の原料となる「太くて火持ちの良いミズナラやコナラ」から順に、
狙い撃ちにされているのです。

虫が持ち込んだ「ナラ菌」が樹木内の通水機能を阻害し、
大木であってもわずか数カ月で枯死させます。

「良い木から死んでいく」

これが、現在の薪市場で起きている現実です。


■ 「枯れた木でも燃える」は間違いです

「枯れているなら、乾燥していて薪にはちょうどいいのでは?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは大きな誤解です。

ナラ枯れ材には、焚き火体験を損なう致命的な欠点があります。

●スカスカで火持ちが悪い

菌が入った木は組織が脆くなり、密度が低下します。

燃やしてもすぐに燃え尽きてしまい、
お客様は「高いお金を出したのに一瞬でなくなった」と感じてしまいます。

●異臭の可能性

菌の影響や、内部での腐敗により、燃焼時に異臭を放つ可能性があります。

●虫の混入リスク

枯れた木には他の害虫も寄り付きやすく、
保管中に粉を吹いたり、お客様の車に虫が入り込むトラブルの元となります。

プロの業者がナラ枯れ材を正規品として流通させないのには、 こうした明確な理由があるのです。


■ ライバルは他施設だけではない

さらに状況を厳しくしているのが、昨今のエネルギー事情です。

健康な広葉樹は、薪ストーブユーザーやキャンプ場だけでなく、
近年増加している「木質バイオマス発電」の燃料としても需要が高まっています。

供給減: ナラ枯れによる歩留まりの悪化(使える部分が減る)
需要増: キャンプブーム + エネルギー需要

この「ハサミ討ち」の状態により、個人の生産者や小規模な薪屋さんは、
安定した原木の確保が困難になり、廃業や出荷制限を余儀なくされています。

「いつもの業者さん」が、来月も納品してくれる保証は残念ながらどこにもありません。


■ 「在庫」は、お客様の体験を守る「資産」

冬の繁忙期、お客様は「焚き火」を楽しみに来場されます。

その時、「薪が売り切れ」であること、あるいは「質が悪い薪」しか提供できないことは、施設への信頼を損なう大きなリスクです。

「在庫を抱える」ことは、これまではコストだったかもしれません。

しかし、これからの供給難の時代において、
良質な薪の在庫を持つことは、他施設との差別化を図る「資産」となります。

本格的な冬が到来し、市場から良質な薪が消える前に。

安定した供給ルートを持つパートナーとの連携と、早期の在庫確保を強く推奨いたします。

一覧に戻る