昨今の熊被害報道に伴う意識調査・対策実施状況について

昨今、連日のように熊の出没や被害に関する報道がなされております。
これに伴い、施設運営における安全対策や利用者への対応について、再考を迫られる場面も生じているかと存じます。
なっぷでは、こうした社会情勢を鑑み、全国のなっぷ契約施設様およびなっぷ会員様(ユーザー)を対象に、意識および実態調査を実施いたしました。(※アンケート回答数:ユーザー回答540名 / 施設回答:435施設)
本記事では、アンケート集計結果から見えてきた「ユーザーの意識」と「施設側の実態」について、事実に基づきご報告申し上げます。
【目次】
1.全体傾向:ユーザーと施設の「危機感」の乖離
まず、全国のユーザーと施設に対し「熊の出没や被害について、どの程度の危機感を感じているか」を調査いたしました。
▼ユーザーの危機感
▼施設の危機感
ユーザーの7割以上が高い危機感を持ってキャンプ場を利用している一方、施設側(全国平均)の回答結果との間には差が生じていました。
ただし、これはアンケート全回答をもとにしたデータのためユーザーと施設のエリア毎の回答数によっても偏差が生じるものでもあります。
次の項ではエリア毎での意識の違いやユーザーと施設の「危機感」の乖離について触れていきます。
2.地域詳細:被害多発エリアにおける意識ギャップ
熊の出没・目撃情報が多い「東北・北海道」「北陸・甲信越」エリアに絞り、施設側の危機感を見てみます。
▼ユーザーの危機感
▼施設の危機感
出没数や被害報告の多いエリアでは、全体平均と比較して、施設・ユーザー共に危機感を感じている割合が高まる結果となっています。
しかしながら、こうしたエリアに絞って比較しても、「危機感を感じている」という回答割合には数値上の開きが見られました。
このことから、ユーザーは、施設側が想定している以上に、熊に対して敏感になっている可能性が考えられます。
※他エリアでの回答結果につきましては、第5章でご覧いただけます。
ただ、同エリアにお住いのユーザーであっても、今年キャンプに行った、または行く予定があると回答した割合は97.6%とほとんどの方がキャンプに行ったという結果も出ています。
「危機感はあるが、キャンプには行きたい」 こうしたユーザーの想いに応え、安心して利用していただくためにはどのような準備が必要なのか。
続く第3章からは、具体的な対策の実態について触れていきます。
3.対策実態:施設の実施対策と費用感(全国)
では、全国の施設様における対策の実施状況と、その内容について見ていきます。
▼施設の対策状況
全国的に見ると対策を実施している施設は4割程度となりますが、これは目撃情報の少ないエリアも含んだ平均値となります。
※エリア毎の回答結果につきましては、第5章でご覧いただけます。
続いて、対策を行っている施設様が実施している具体的な内容と費用感です。

「ゴミ管理」や「注意喚起」といったオペレーション面での対策が主流であり、多くの施設様が10万円未満のコストで対策を実施していることがわかります。
4.顧客動向:ユーザーの対策と問い合わせ内容(全国)
ユーザーの行動についても調査いたしました。
まず、ユーザー自身が何らかの対策を行っているかどうかの結果です。
▼ユーザーの対策状況
6割以上のユーザーが、意識するだけでなく実際に行動に移しています。
※エリア毎の回答結果につきましては、第5章でご覧いただけます。
具体的な対策内容は以下の通りです。
単に不安を感じるだけでなく、多くのユーザーが「自衛」のために具体的な行動を起こしていることが分かります。 特に、物理的な対策(ゴミ管理・熊鈴)と並んで「事前の情報収集」が上位となっている点は注目すべき傾向であり、ユーザーは「現地に行く前のリスク確認」を重要視していると言えます。
次に、ユーザーから施設への問い合わせ内容についても見ていきます。
施設への問い合わせで最も多かったのは「周辺での出没情報」の確認でした。 全国ですでに 67.4% の施設様がこの問い合わせを受けていることがわかりました。
前述のユーザー対策の実態と合わせると、ユーザーは「正確な出没情報」を得ることが安全対策の第一歩であると認識しており、施設側にもその情報の提供を求めていることが推察されます。
5.詳細資料:エリア別詳細データ(PDF)のご案内
地域によって出没状況や、意識の違いなどにも変化が生じています。貴施設の所在エリアだけでなく、商圏となり得るエリアの資料も併せてご確認ください。
【エリア別詳細データ】
【場内掲示用POPのご案内】
なっぷモールでは、施設様が場内に掲示できる「BEAR SAFETY Rules6」というPOPのデータも提供しております。併せてご活用ください。
【#なっぷNOWの情報交換の場をご活用ください】
アンケートの回答の中に、「夜間のトイレは行かず、簡易トイレ袋を使用」、「獣用の線香を焚いている」などのユーザーとしての具体的な対策や、「クマよけの薬剤散布」、「雑草の刈り込み」など施設様の具体的な対策も記入いただきました。
現状として熊への対策において、万全と言える根拠ある手法は確立されておらず、各施設様が地域の特性に合わせて模索されていることと存じます。
そこで、なっぷが運営するコミュニティ「なっぷNOW」内の『公認キャンプ場の広場』にて、各施設様の対策事例や悩み事を共有いただけないでしょうか。
効果的だった工夫はもちろん、「実施したが課題が残った事例」なども貴重な情報資産となります。正解のない課題だからこそ、施設様同士の知見を持ち寄り、集合知として活用いただけますと幸いです。
▼#なっぷNOW|公認キャンプ場の広場
https://now.nap-camp.com/menus/dgslrannqoq0pxlt/chat_categories
ご登録がまだの施設様は、この機会にぜひご登録ください。
▼公認アカウント申請の資料はこちら
https://adm-resource.nap-camp.com/support_manual/nap-now-official-recognition-guidance.pdf
アンケート回答には熊以外の獣害対策についてのコメントも寄せられました。
中でも「お客様への食べ物やゴミの管理呼びかけ」を日常的な対策として挙げている施設様は多く、
熊に留まらず動物や虫による被害を避けた安心なキャンプを促すためにも日頃の対策の参考にしてみてください。
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