秋季速報と冬キャンプ市場の成長と傾向について

紅葉シーズンもピークを迎え、いよいよ冬の足音が聞こえてくる時期となりました。
今回の記事では、「秋季速報」と、近年の「冬キャンプ市場の成長と傾向」をお届けします。
1.秋季速報と要因分析
25年9月・10月の予約件数の実績と11月の予約件数の進捗を昨年対比でみていきます。
※25年11月18日時点での予約状況をもとに算出
11月は好調に推移しているものの、 9月・10月ともに全体の件数では昨年を下回る結果となりました。
9~10月の低迷要因について、カレンダー(暦)と天候の2つの側面から分析します。
▼9月:カレンダー(暦)による影響
9月(昨年比 90.7%)の低下は残暑の影響に加えて、
「週末の数え方」と「連休の並び」による影響が非常に強いと考えられます。
▼週末カウントの影響
なっぷでは「チェックアウト日」を基準に月次件数を算出しています。
⇨2024年(昨年): 8/31(土)利用・9/1(日)チェックアウト分が「9月」の件数に含まれました。
⇨2025年(今年): 8/30(土)利用・8/31(日)チェックアウト分は「8月」の件数となり、純粋な週末1回分が昨年より少なくなりました。
※その影響により8月は猛暑の影響を受けながらも昨年の予約件数を超えております。
▼連休の影響
以下の通り、3連休の減少も9月実績低下に大きく起因しています。⇨2024年(昨年): 9月21日(土)~23日(月・祝)が3連休でした。
⇨2025年(今年): 9月23日(火・祝)の前に平日を挟んだため、飛び石での連休となりました。
※「チェックアウト日」を基準に算出
上記の通り、2024年の9月で最も大きな構成比を占めていたのが9/14(土)~16(月・祝)であり、この週の連休条件は同じだったものの、次いで構成比の高かった9/21(土)~23(月・祝)の3連休が飛び石となったことが実績低下の大きな要因となっています。
▼10月:天候不順によるキャンセル率の上昇
10月(昨年比 87.2%)は、週末の天候不順によるキャンセル率の上昇が大きく影響しました。
10月のキャンセル率は2024年から4.2%上昇しました。
これは10月に4回あった週末の多くで降雨に見舞われたことが背景にあります。
以下は降雨が確認された週末の数を示したグラフです。
※気象庁「過去の気象データ」をもとに株式会社R.project作成
※土日いずれかで1時間降水量が0.5mm以上を観測した場合にカウント
上記の通り、10月は主要7都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)のうち4都市で、週末(土日)すべてで降雨が観測されるなど、昨年よりも雨の多い月となりました。
この影響は、サイトタイプ別・利用者層別のキャンセル率にも表れています。

特に、雨の影響を受けやすいフリーサイト・区画サイトのキャンセル率が上昇。
また、お子様連れであるファミリー層・子連れグループはキャンセル率が50%前後に達し、天候によって利用判断が大きく左右されたことがうかがえます。
このように9月・10月はカレンダーや天候要因により苦しい2ヶ月となりましたが、11月は連休増の影響もあり好調に推移しております。
そして、データからはこれから迎える「冬キャンプ市場」の確実な成長も見えております。
詳細は次章をご確認ください。
2.なっぷ予約データでみる「冬キャンプ市場」の成長と傾向
秋季は天候要因などで苦戦しましたが、これからの「冬キャンプ市場」は、なっぷの予約データ上でも力強い成長を続けています。
(1) 冬市場は年々拡大中。特に「ソロ」「グループ」が牽引
まず、2021年冬季(12月~翌年2月)の予約実績件数を100%とした場合、シーズン全体の予約件数は以下のように推移しています。
年々成長がみられており、昨シーズン(2024年12月~2025年2月)は2021年比で約1.3倍に市場が成長しています。
利用者層別(2021年比)で見ると、その牽引役が明確になります。
「ソロ」の大幅な伸び「デュオ」の成長に加え、「グループ層(大人・子連れ)」が力強く伸びている点も見逃せないポイントです。
(2) 【重要】年末年始は「ファミリー・グループ」が動く
冬市場は「ソロ」や「デュオ」などの少人数層が中心と思われがちですが、時期によって動く層が異なる点に注意が必要です。
こちらは、昨シーズン(2024年12月~2025年2月)の日別の利用者層構成比です。
ご覧の通り、冬休み期間である12月下旬から1月の初旬にかけて、ファミリー層(黄緑)とグループ層(オレンジ・ピンク)の構成比が急激に高まっています。
特に12/30と1/2チェックアウト利用では46.2%に達するなど、特に年末年始のタイミングでの拡大が顕著に表れました。
(3) 時期別トレンドに応じた「単価」の動き
この「年末年始の客層変化」は、そのまま「1泊あたりの単価」に連動しています。
ファミリー層・グループ層が動く12月下旬~1月初旬の時期は、単価も連動して高騰していることが明確にわかります。
また、平均1泊単価の最大値を記録した1/2チェックアウト利用と、最小値を記録した1/15チェックアウト利用の単価差は¥7,923と非常に大きくなっています。
これらのデータから、一口に「冬キャンプ」と言っても、
◻︎ソロ・デュオが中心の平日
◻︎ファミリー・グループが動く年末年始および週末
では、求められるものや単価が大きく異なることが分かります。
ぜひこの機会に、年末年始、週末、平日に合わせたプランの在り方や料金体系を見直していただくことで、稼働率と収益性のさらなる向上につなげていただければ幸いです。
3.ユーザーアンケート結果でみる「冬キャンプ」需要の強さ
予約実績だけでなく、ユーザーの「意欲」からも冬キャンプの盛り上がりが期待できます。
(1) ユーザーの約7割が冬キャンプに意欲的!
「なっぷNOW」が実施したユーザーアンケートでは、
回答者の約7割が冬キャンプに意欲的であると回答しています。

(2) 夏キャンプとの目的の違い
また、ユーザーがキャンプに求める目的も、季節によって変化しています。

夏のキャンプで印象に残った目的が「夏の景色・自然との触れ合い」だったのに対し、 冬キャンプの目的は「焚き火」が圧倒的人気となりました。
寒さの中で炎を囲む体験そのものが、 冬キャンプの強い動機付けになっていることが分かります。
ご案内は以上となります。
引き続き、なっぷモールをよろしくお願いいたします。
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